6月25日(土)に行われました『利き「蚊取り線香」』!
ただ蚊取り線香の匂いをかぐだけというイベントにもかかわらず、8人の方々にご参加いただきました!
まずは、「蚊取り線香」について、ちょっとお勉強。
・蚊取り線香の原料である除虫菊は、バルカン半島ダルマチア地方原産。日本には明治期渡来し、1935(昭和10)年には世界一の生産量を誇っていた。
・江戸時代は蚊取り線香がなく、おがくずに硫黄の粉を混ぜたり、ヨモギを燃やしていたりした。この燃やす香炉として「蚊遣り豚」などが作られた。つまり、「蚊遣り豚」の方が「蚊取り線香」より先に出現した。
・1980(昭和55)年に、電気蚊取器が蚊取り線香の販売額を追い抜いた
などのミニ知識を仕入れたあと、いざ利き「蚊取り線香」に!
ブラインドテストで各人に感想とベスト3を記入してもらい、最後にメーカー名を発表するという段取りで進みました。
まじめ〜な感じで、利き「蚊取り」開始。商品開発のモニター調査のようにも見えます。
屋外に持ち出して、外の空気とともにふれあってみたり…
「うむ〜、まったりとしてそれでいて……」
ふだん蚊取り線香の匂いなんか表現しないから、ちょっととまどいも。
今回は、お茶菓子も渦巻きのものを取りそろえてみました。
さて、それではブラインドテストによる、みなさんの感想を。
「スタンダード」「実家のにおい」「鼻にドカンときた、かおりが比較的強い」「これ、金鳥だよね?」
「日本らしくない」「蚊取り線香っぽくない」「仏壇にありそう」「おばあちゃんち」
「お墓のにおい」「寺のにおい」「古い家のにおい」「さわやか」「アウトドアのにおい」「軽い」「わざとつけた人工っぽい感じも」
「ベーシックな感じ」「じゃまにならないにおい」「やわらかくて、刺激が少ない」「なつかしい」「身体によさそう」「この匂いなら使ってもいいかな」「匂いがうすい」
「オーガニック」「においがしない」「芳ばしい感じ」「けむりが白いのにうすい」
⑥ アース・バイオケミカル株式会社「ペット用アース渦巻AC」
「けむりがすごい、燻される感じ」「(線香の巻が)でかい!」「においがきつい」「つーんと鼻の奥がしびれる」「海外物のイメージ」「けむりがアグレッシブ」「線香ではない」
「見た目が手作りっぽい」「線香の色が淡い」「線香っぽいにおい」「かいだことがないにおい」「お墓に行ってきたにおい」「古い日本のかおりがする」「⑥よりもマイルド」
本日の出演者たち。
後列左から ①②③④、前列左より⑤⑥⑦
さらにブラインド状態のまま、ベスト3を投票してもらい、「1位=3点、2位=2点、3位=1点」で、集計しました。
その結果は・・・
1位 ⑤ 株式会社児玉兄弟商会「菊の香り かとりせんこう」 12点
( ・1位 3票 ・2位 1票 ・3位 1票 )
2位 ③ アース製薬株式会社「アース渦巻香」 9点
( ・1位 1票 ・2位 2票 ・3位 2票 )
3位 ① 株式会社白元「ワイパア 蚊取り線香」 8点
( ・1位 2票 ・2位 1票 ・3位 0票 )
4位 ⑥ アース・バイオケミカル株式会社「ペット用アース渦巻AC」 6点
( ・1位 2票 ・2位 0票 ・3位 0票 )
4位 ⑦ フマキラー株式会社「フマキラー蚊とり線香」 6点
( ・1位 0票 ・2位 2票 ・3位 2票 )
6位 ② 紀陽除虫菊株式会社「菊のけむり蚊とり線香」 4点
( ・1位 0票 ・2位 2票 ・3位 0票 )
7位 ④ 大日本除虫菊株式会社「金鳥の渦巻」 3点
( ・1位 0票 ・2位 0票 ・3位 3票 )
1位は「菊の香り かとりせんこう」。3人から1位に推され、7候補の中で唯一、ふた桁の得点をあげるなど、堂々の1位といっていいでしょう。なお、この商品、「無香料・無着色」で、天然除虫菊粉末を主成分とした「昔ながらのかとりせんこう」が売りでした。感想でも、「オーガニック」という意見が出たのには驚きです。やはりにおいってわかるもの?
2位には、「アース渦巻香」が、まんべんなく得票を重ねて食い込みました。同社サイトによれば、ビャクダンの香りをつけているとのことなので、お墓やお寺のにおいだという意見は、結構いい線をいっているということになります。
僅差で「ワイパア 蚊取り線香」が3位につけ、
4位タイ「ペット用アース渦巻AC」も、1位に選んだ人が2人と、ペット用がどう評価されるかと紛れ込ませたのですが、大健闘です。ちなみにこれを「実家の匂いだ!」と評した方は、やはり実家に犬を飼っていました。ワンちゃんのご愛用だったのですね。
そして、なんと、なんとの大番狂わせ。「金鳥の夏、日本の夏」、あの日本の風物詩、「金鳥の渦巻」が最下位!!
—— ④のコメント欄を見ても、ほとんどネガティブな評価はないのに、それが得票に結びつかない、という衝撃的な結果と相成りました。
これは、今回のような短期決戦では、インパクトの強いにおいを持つものが、印象深くて有利に働いたのかもしれません。
この結果を見て、参加者のひとりが、「逆に、これが金鳥の強さなのかな」と口にしてました。
「じゃまにならない」「やわらかい」「うすい」というコメントは、“その場限りのお付き合い”じゃなくて、一日何時間も燻らすという、“一緒に暮らしている”状態になったときに、大きなポイントになるのではないでしょうか。
いや〜、蚊取り線香って、奥が深いですね!
みなさんも機会があったら、ぜひいろいろかぎわけてみて、自分好みの匂いで暑い夏を乗り切りましょう!!
最後に、自分がベスト1にチョイスした蚊取り線香を持って記念撮影。
ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました!
(文・盛田真史)